松井五郎さんにきく、歌のこと(月2回更新)

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松井五郎さんにきく、歌のこと 8通目の手紙「あなたが、あなたの言葉を手にするために」松井五郎→水野良樹

水野良樹様

 梢だけはいつもの年と変わらず秋の気配を湛えているのに、街は未だどこか重々しい空気に沈んでいます。水野君の書簡にあった、季節の移り変わりのグラデーションさえ、日々更新される数字のせいで、暗色へ流れていくようにも思えます。コロナ禍のせいもあるのでしょうか、これまでの仕事とは変わってしまった加重に生活のペースを乱してしまい、返信の期日を守れず申し訳ありません。水野君はお変わりありませんか

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