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「TOKYO NIGHT PARK」 Tehuさん対談 HIROBA編集版 前編

デザイナー、技術者として幅広く活躍するTehuさんを迎えた
J-WAVE「TOKYO NIGHT PARK」の対談。
自身の半生を振り返った著書「『バズりたい』をやめてみた。」、
そしてプログラムをつくる上で最も大事なことについて。
前後編のHIROBA編集版としてお届けします。

【前編】矢印を自分に向けることの恐ろしさ

水野 本日のゲストは書籍「『バズりたい』をやめてみた。」の作者であり、技術者でもあり…何やってる人?っていう肩書きがいい意味で思いつかない、いろんなことをやられているTehuこと張惺(ちょう さとる)さんです。

Tehu よろしくお願いします!

水野 冒頭からいきなりですけど…。

Tehu はい(笑)。

水野 僕はTehuさんとして出会っているんですけど。

Tehu ええ、18歳のときですかね。

水野 Tehuさんは中学生のときにアプリを開発されて、天才中学生、天才高校生として話題をさらっていて、技術者として紹介されてお会いしたんですよね。

Tehu はい。

水野 本名は張惺さん。

Tehu はい。

水野 「『バズりたい』をやめてみた。」 を読み終えると、Tehuさんとお呼びしたほうがいいのか、張惺さんがいいのか…。

Tehu (笑)全然、Tehuで大丈夫ですよ。

水野 Tehuに慣れすぎていて。

Tehu あだ名としてのTehuは、むしろ残していこうと思っていて。親にもTehuって呼ばれているくらいなので。

水野 マジですか!?

Tehu Tehuは上の名前の張からきていて、「蝶々=てふてふ」で。ただ、親が僕のことをTehuと呼ぶのはおかしいんですけどね。あなたもTehuですという。

水野 そうですよね(笑)。

Tehuさんは1995 年、兵庫県生まれ。灘中学校に入学後にプログラミングを独学し、中学2年生のときにiphoneアプリを開発して「早熟の天才」として注目されました。「Tehu(てふ)」というハンドルネームで活動をし、「AERA」(朝日新聞出版)の「日本を突破する100人」や「東洋経済オンライン」の「新世代リーダー50人」にも選ばれました。

Tehu 懐かしいですね(笑)。

水野 さまざまな挑戦的な発言がある種の炎上を招いたり、話題を呼んだことでご存じの方も多いと思いますが、僕がTehuさんに会ったときには、もうそんなイメージはなかったですね。

Tehu そうですか!いや…まだすごかったですよ。高校3年生のときにお会いして、その頃はまだ攻めたこと言っていた時期でしたね。

水野 今、おいくつですか?

Tehu 先日、25歳になりました。

水野 マジで!

Tehu マジで。

水野 えー!

Tehu もう25歳ですよ。

水野 僕はけっこう前から会っていたので、お兄ちゃん気分なんですよ。

Tehu (笑)

水野 親戚の子が大学を卒業したみたいな。

Tehu 以前お会いしていたときは、大学生で「ちょっと今から大学行ってきます」みたいな感じでしたからね。

水野 そうだ。いやぁ(しみじみと)。
25歳といいながら、本当にたくさんのことをやられてきています。まずは中学生のときにアプリを開発したと。

Tehu はい。

水野 世間一般の中学生の感覚だと、アプリを開発しようとか、会社をつくろうとか、なかなかそこに行き行き着かないと思うんですけど、Tehuさんはどうしてそういうことを思い始めたんですか?

Tehu なんでしょうね。やりたいことを見つけたかったんですよ。全国から秀才が集まる学校で、僕は地域ではずっと成績トップで生きてきたのに、入学するときは合格の最低ラインだったんですね。

水野 高校野球で4番だったやつがプロに入ったら8番だったみたいな。

Tehu そうですそうです。むしろ2軍ですよ。2軍からも全然上がれない。

水野 へぇ。

Tehu それまでずっと勉強がアイデンティティで、成績がいいということだけで生きてきたけど、新しい何かがないといけない。まわりを見渡せば、数学の天才とか、化学の天才とか、いろんな人たちがいた。

水野 はい。

Tehu 何か科目でもいいし、自分が「〇〇の天才」だと言われるようなことを探していたときに、海外で小学生がアプリをつくったことが話題になって。僕でもできるかなと思ってやってみたら、まぁ、本当に簡単なものだったので、できたんですよね。

水野 できるんですか?

Tehu 当時はまだiPhoneが出てきて1年くらいで、日本語の解説書がなかったんですよ。英語の解説書を調べながら見様見真似で。ただ、プログラミングとは何かということが理解できたのは、それからずっとあとのことでした。

水野 ああ、そうなんですね。プログラミングって具体的にどこに快を感じるんですか?僕はプログラミングをやったことがないんですけど、つくっていく過程に快を感じるのか、それとも出来上がったものに快を感じるのか。ある意味、歌と近いと思うのですが。

Tehu そうですね。ものづくりをする人間として完成品に快を感じるんですけど、実はいちばん面白いのって…要は現実社会に適応するプロセスなんですよね。多くの人たちが便利だと思うツールをつくるためには、いろんな人たちが同じツールを使うわけじゃないですか。異なるさまざまなライフスタイルの人たちの人生のある部分を切り取って、一般化することで同じツールが使えると。

水野 なるほど。

Tehu プログラムを書く前のプロセスのほうが面白くて。いろいろと考えた結果、「これだったら100万人に便利に使ってもらえるよね」「じゃあ、つくろうか」ということなんですよね。今でこそ、AIとか個人に最適化するという時代ですけど、一人ひとりのためにプログラムを書いているわけではなくて、それが多くの人たちのいろんな場面に姿形を変えて役に立つと。一般化したものがみんなのもとに届いていくという点が、コンピューターを使ったものづくりのすごく面白いところだと思いますね。

水野 さっき、収録前に「大学を休学したのはなぜですか?」という話をしました。大学の授業で学ぶ知識や技術をTehuさんは会社ですでに実践していたので、極端な言い方をすると「もう学ぶことがないのではないか」と思って一度休学をした。でも、「本質的な芸術とは何か、美術とは何か」ということを学べていなかったことに気づいたと。

Tehu はい。

水野 プログラムをつくるのも、その前提となる問題意識がないといけないということなんですね。

Tehu そうですね。プログラムは道具でしかないので。もちろん、道具のスペシャリストになるという考え方もあります。その道具を実際につくっていく中で、世界中の研究者と一緒に国際標準をつくっていくという道に進むことも考えられたんですが、やっぱり僕は道具としてしか見ていなくて。その道具を使って人の生活を便利にするのか、もしくはみんなが気づいていない問題を指摘するのか…それは技術のある人に任せて。もっともっと大事なのは課題意識、リベラルアーツ的なものの考え方、自分の哲学、社会をどのように導いていきたいのか。50年後の社会がどうなっているべきかを考えるときに、ぼんやり夢はあるけれど、それを説明するための知識も言葉も自分の中にはなかったので、歴史に学ぼうと。それは学問としてちゃんと学ぶべきことなので、戻ってきたと。

水野 実際に学んで、どうでしたか?学んで身につく感じですか?

Tehu いや、めちゃめちゃ身につきますよ。言葉を与えられるんですよね。哲学を学ぶ上でいちばん面白いのって、自分なりに今まで考えてきたつもりだけど、それは他の人が何百年も前に自分よりもクリティカルな言葉で言い表している。それを見つける瞬間がすごく楽しくて。

それぞれの課題に取り組む中で、そういったものをかき集めて、そこに自分のデザインやエンジニアリングを掛け合わせたときに、新しい未来像をやっと言葉にできたという感覚になる。もしくは道具として持っていたのはプログラミングとデザインだけだったけど、こういう道具もあるんじゃないかと、僕だったらパフォーミングアーツですよね。演劇とかオペラとかが研究テーマでしたから。そういったものを組み合わせると自分が目指す社会像がより上手く表現できるんじゃないかという思いに至った。

水野 何百年も前に言い表していた人がいるというのは、言い換えると、何百年も前につくったプログラムが今でも有用に使えたと。

Tehu そうですそうです。

水野 人間の環境が変わって、情報技術が違う世界でも、普遍的な論理みたいなものがあることの証明にもなるし、そこからさらに知識を得ると前に進める。新たな論理をつくることができる。プログラムを延々と書き換えているような。

Tehu うんうんうん。

水野 すごく面白いですよね。

Tehu 自分たちの外側にあるコンピューターに対してプログラムを書き込んでいるんですけど、それを通してやっていることは、僕らの中にあるプログラム=DNA、これは何百年も前から変わらないこと、あとは僕の研究分野でいうと2500年前のギリシャ悲劇から変わらない、人間の心の震える瞬間みたいなもの…そういったものを捉えたくて。でも、自分の中のプログラムって捉えたくても捉えられないものだからこそ、外側に自分のクリエイティブをつくって、多くの人に伝えることによって、結局は自分の中にたどり着きたいんだろうなと。そういう感覚がありますね。

水野 ああ、面白いですね。結局、個の深いところにいくと歴史とつながることがある気がしていて…ここで話題を変えて、とはいえプログラムがひとつの手段や道具であったときに、Tehuさんの社会に対する眼差しがあるような気がしていて、どういう社会になってほしいか、具体的にお話いただけることはありますか?

Tehu 比較的ニヒルに見ているというか。今の社会ってこのままじゃまずいよねって見がちな性格をしているんですが、そういう意味ではやっぱり…僕は「問いを失った社会」と最近よく言っていて。

水野 なるほど。

Tehu 一人ひとりにとっての当たり前を疑う機会が、どんどんなくなってきているなと思うんですよね。それは特にSNSだとフォローという機能があるじゃないですか。

水野 はい。

Tehu 僕はTwitterで水野さんをフォローしてますけど、そうすると水野さんの意見を自然と摂取していくし、水野さんに反対する人がいたとしても僕はその人をフォローしないので、その意見に触れる機会がない。すると自然に自分の周辺が自身にとってすごくカンファタブルな環境になっていく。これに慣れてくると、外部からの啓蒙を聞かなくなるし、例えば「偏っている」と人を批判することは簡単ですけど、そういったことにつながってしまう。

それを僕は「問いかけみたいなものが死んでしまっている」と捉えていて、どうしたらその人たちがこれまで考えてこなかったような新しい視点を得られるのか、そういう機会をつくれるのか、そういったことをずっと考えています。

水野 まさに「『バズりたい』をやめてみた。」の中でも、Tehuさんが誹謗中傷を浴びていわゆる炎上という中にいて、そこで僕らには見えない景色を見てきたと思います。問いがないというのはまさにそうで、誰かを批判するときって自分がボケではなく、ずっとツッコミをやっている。

ある種虚構のようなTehuという存在に踊らされたのは、Tehuさん自身もそうかもしれないけど、Tehuさんを批判する人たちなわけで。自分自身で問いを持って考えていたら、そうはならない気がするんです。

この本を出すことの意味にも通じますが、自分の物語を語るというのは…難しいですね。

Tehu 難しいですね。本を書こうと思って書いたわけではなく、僕の半生を振り返ったような形になっています。この2年くらいずっと考えていたんです。承認欲求という言葉があるとき急に浮かんできて。承認欲求が人間のいろんなものを阻害する要因にもなるし、促進する要因にもなる。深く考えてみたいなと思ったときに、最良の例が自分だということに気づいて。

水野 はい。

Tehu あんなに世の中で話題をかっさらって、Twitterのフォロワー数が増えることに快感を覚えていたあのときの自分。あれは承認欲求だ!と。それを2年くらいかけて全部振り返ってみようと。なぜそうだったのか、当時は当たり前のようにやっていたことを、全て説明していこうとスタートしたのがこの本です。本にできたおかげで、さらけ出せましたけど、「じゃあ、教えてください」と言われて、パッと言葉にできるような内容ではなかったと思います。

水野 それが2年の振り返りを経て、張惺という人物にたどり着いたのが、すごく感動的で、Tehuさんが自分で物語を書くことに戻ったような気がしました。

Tehu はい、そうですね。

水野 自分のことを歌う、語る…なんでみんな人の話をしちゃうんですかね…。

Tehu 矢印を自分に向けることの恐ろしさって、常にあるじゃないですか。

水野 はい。

Tehu この本を書いていくプロセスも僕にとってはすごく不愉快なもので。過去の自分の特に過ちであったり、良い悪いではなくそうなってしまっていたという事実。それを言葉にして、他者と共有する。当然、そんなことはやりたくないわけですよ。敵に向かって自分の急所をさらけだすようなことで。そんなことをするくらいなら、他者の急所を狙ったほうが楽ですし。

安っぽい言い方にはなるけど、今の時代は一人ひとりの成長が大事というか。今の自分であり続けるというよりも、社会が大きく変化していく中で、少なくともしなやかに対応できる、できれば社会を変える側になることを目指すときに、自分自身を変えなければいけない。二十歳までに構成された自分で残り60年、70年を戦うという時代ではなくなってきているので。そうなると自分に矢印を向けてさらけ出すしかないですよね。

水野 ああ、そうか。

Tehu 野生動物と違って、急所をさらけ出しても喰われたりはしないので。矢印を自分に向け続けることが大事だと思いますけど、そうは口にしながらも僕自身なかなかできていない部分はあると思いますけどね。

水野 いやぁ、なんかね…どうしたら…。そうか、変わり続けることか。成長し続けるって本当に難しいし、怖いですよね。

Tehu 怖いですよ。

水野 一度正しさを手に入れてしまったり、自分なりの答えを…それはほとんどの場合が勘違いであることが多いんだけど、手にしてしまったときの安心感が必ずある。

Tehu はい。

水野 成功したとか、称賛を浴びたとか。変わるということはそこから去っていくことなので、やっぱりすごく難しいですよね。普通に暮らしている人たちが、SNS上で自分たちのことを語っていく、何かひとつの正しさに囚われないというのは、なかなか難しい。

以前、ある政治的問題に一言つぶやいただけで、バーッと批判がきたときに、何が怖かったって、批判されるのはあまり怖くないんですよ、予想できるから。

Tehu はい。

水野 僕と違う考えを持つ人から言葉が飛んでくることは予想ができる。でも、同じ考えを持っている人たちのほうが怖いというか。

Tehu なるほど。

水野 AとBの問題があったとして、「僕はA側です」と言ったとしたら、他の問題に対してもA側の考えを持っているはずと思うのか、僕を持ち上げるんですよ。「よくぞ言ってくれた!」と。

僕は表に出ている人間なので、自分の声が多くの人に拡散されるとか、多くの方に拍手していただく経験を何度かしているので、それが確定的なものではないことを経験上知っているので、ある程度冷静でいられるんですけど。そういう経験がない人が、勇気を出して発言したときに、「そうだそうだ!」と多くの人が集まってきたら、自分が正しいと思うだろうなと。

Tehu うーん。

水野 みんなが「自分がヒーローだ」って思っていく怖さは、すごくある。それが炎上の過激化、批判の過激化にもつながっている。気づいたらみんなSNS上の文体が同じみたいな。

Tehu (笑)

水野 顔を変えても、みんな同じことを同じような論理で言っている。論理の組み立て方も人からパクっている。そうではなく、自分で組み立てて、自分の言葉で話すって…こうして口にすると教科書通りで簡単なことのように聞えるけど、すごく難しいですよね。

Tehu 最近すごく思うんですが、Twitterのタイムラインって、サブリミナル効果そのものだと思って。

水野 おお、なるほど。

Tehu ちゃんと読まないじゃないですか、すごいスピードで読むわけですよ。誰が何を何分前に言ったかまでは覚えていないけど、明らかにこの場で語られていることは頭には入っていて、誰がどういう背景で語っていたことかを一切無視して、気づいたら自分の言葉になっていましたという現象が起こり続けた結果が、顔は違うけどみんなが同じ文体ということかなと。

水野 怖い。

Tehu 真実がどうかは置いておいて、個人の正義が異常な拡散力を持っている。それはRT(リツート)されるからすごいとかではなく、タイムラインの影響だと思うんです。ある種人間の洗脳ツールになっている。

水野 システムというもの、インターフェイスなのか、なんて言えばいいのか、構造というものがどれだけ人間を狂わせるかという。

Tehu そうですね。この話って僕が最初にした話に戻るんですよね。僕らって多くの人たちに使ってもらえる構造をつくる人間なんですね。

水野 はい、そうです。だから世の中に対していちばん影響度のあるところなんですよね。

Tehu そうです。多くの人がハマる構造を見つけ出してそれをつくるということが、結果として多くの人を構造の中に取り込むことになるというか。その先にどういう社会があるかを考えだすと、僕たちが持っている道具は極めて危険な道具だなと思います。

水野 そうですね。

Tehu どうしてもITビジネスの世界ってお金になる構造を見つけ出すんですよね。誰かが有名になりたいというマインドを持っているとしたら、そこに構造を与えたらお金になる。

水野 はい。

Tehu だけど僕が今取り組んでいるのは、誰かの「成長したい」という思いや、「自分を変えたい」というマインドという、ほぼお金にならない部分にフォーカスしていて。そこで構造をつくることで一線を画したいし、いわゆるITビジネスみたいな形で物事に取り組みたくないなと最近感じているところです。

水野 厳密な歴史の話ではないですが、法律ができる前は人で支配してきたわけですよね。そこに秩序をつくっていく。法律もある種システムで。そのシステムごとで生活していけば、ある程度社会が維持できるというのが、法というプログラムだと思います。それが今は少し変わってきていて、法ではなく、スマホで使う何か、本当に生活に根付いた、例えば買い物に関するシステムだったり、通話に関するシステムだったりが人の行動様式を変えて、さらにいくと社会を変えていく。ゲームメーカーというかルールをつくり出す役割をかなり担っている。

Tehu そうですね。それはもちろんいい話であって。一方で憲法に縛られた中で人権をしっかり考慮して法律をつくってきたはずが、「これ、面白くね?」ってノリでプログラム書いて、サーバー立てて、「はい、どうぞ」って公開して、そこから大ヒットというような深い考慮が全くなされていないものもつくれてしまうわけですよね。

だからこそ、いろんな問題が起こる。思い返せば、例えばバイラルメディアが問題になったり、ソーシャルゲームなんかも「きっと楽しんでもらえる」という純粋な気持ちでつくったものが、いかに人の知識や時間を支配していくかを見せつけられたものだと思います。

水野 それを聞いていくと、「人間ってなんだろう」「人間ってどうあれば幸せなんだろう」という本質的な部分や信念が、つくる人たちの中でブレていたり、もしくは危険なものだと…言い方も判断も難しいですけど、そこに大きく影響してくるから、ここはしっかりとやり合ったほうがいいだろうなと。

Tehu はい。

水野 そこで議論があったほうがいい。

Tehu そうですね。強大な構造の力を持っている人間こそが、幸福の再定義をきちんとしないといけないと思います。そこでバチバチにやり合って。

水野 そうですね。

Tehu それぞれの人たちが、私たちは幸福をこのように考えているので、こういうものを提案しますということをちゃんと明文化した上で提供するとか。そういうことが日本でも当たり前になればいいなと思います。アメリカなんかは、かなりそういった考え方に寄っているんですよね。

水野 ああ、そうなんですね。

Tehu Appleって僕らの人生を変えるようなツールをたくさん出しましたけど、彼らが新製品発表会の最後に話すことは、リベラルアーツとテクノロジーの交差点、そこにあるのはヒューマニティだとずっと言っていて。つまり人間性、人間らしさだと。Appleはテクノロジーの会社なんだけど、彼らがずっと探究しているのは人間性なんです。だから「人間性を見失わずにこれからもやっていきます」と彼らはずっと言っている。コーポレートメッセージってすごく大事で。テクノロジーという魔法を持っている僕らが、どれだけ大事なタイミングでそこに立ち返られるか。

水野 なるほど。

Tehu 立ち返らなければ、独裁者よりも恐ろしいことができる時代になっていると思います。

水野 いやぁ、けっこう濃い話をしてきましたね。

Tehu (笑)

(つづきます)

テフ

Tehu(張惺)
デザイナー・技術者。1995年、兵庫県生まれ。
2020年、慶應義塾大学環境情報学部を卒業。「学習能力とコミュニケーション能力の最適化による文明のリデザイン」を目標に掲げてさまざまなプロダクトやサービスの開発を主導し、大学在学中から講談社ウェブメディアの技術責任者・クリエイティブディレクターや、アーティストプロデュース・イベント演出などを手がけている。現在はスタートアップ7社に参画。
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Text/Go Tatsuwa


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