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AFTER TALK with HANA SEKITORI

2020.03.07

変化のさなかにいるひとは、たくましく、美しい。

同じところにとどまって
変わらぬ在り方で、変わらぬ声をあげることは
それはそれで格好がいいし
実際に、尊い。

吹きつける風の行く先は
日夜、縦へ横へと、東へ西へと
気まぐれに、そして乱暴に変化していて
そのなかでじっと耐えながら立ち止まるひとには、
そのひとのつらさがあって、矜持がある。

だが、おかしな笑い話のようだけれど
風が吹いてもいないのに、
ずっと立ち止まっているひともいる。
歩みをはじめたときに生まれる向かい風が怖くて
無条件にそそがれる暖かい日差しに甘え
現状に安住していることを
「変わらぬこと」の尊さでごまかしながら
足元ばかりをみつめてしまうひともいる。

一歩、外に出る。
もといた場所から、もといた在り方から。
変化へと進むとき、避けられずくぐらねばならない
危うさ、もろさ、軽さに
外からはいろいろな言葉を投げかけられる。

「あなたらしくない」
「そのままでいいのに」
「大事なことを忘れたのか」

言葉は投げかけるほうが楽だ
みんな無邪気な善意でもって
追い風にさせるつもりで手をあおぐ。

旅立つひとは、いつもそんなとき、寂しい。

意志がなくては進めない。
自分を自分で信じてやらなければ、進めない。
変化に飢えて、変化に手を伸ばそうとする自分を
他の誰よりも、おのれ自身が、
肯定してあげなくては
外に出ることはできない。

ゆえに
変化へと歩み出そうとするひとは
自分を肯定しようとしているひとだ
自分を信じようとしているひとだ

僕も、そう思って、今、ここにいる。


『きっと私を待っている』


歌を聴いてくれる誰かが。
歌が溶け込んでいく世界が、社会が。
いつか手を広げてくれることを信じながら。
いや、手を広げさせるのだと、覚悟しながら。

意志をもって前に踏み出す彼女の背中は
たくましく、美しいと
僕は思う。

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YOSHIKI MIZUNO(2020.3)


Photo/Kayoko Yamamoto


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ソングライター水野良樹が主宰するHIROBAの公式noteです。 『考えること、つながること、つくること』 その3つを豊かに楽しむための広場=HIROBAをつくっていく試みです。 定期購読マガジン『HIROBA公式マガジン』のご購読もよろしくお願いします。
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