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新たな視点

「TOKYO NIGHT PARK」HIROBA編集版
水野良樹×阿部広太郎

コピーライターで作詞家の阿部広太郎さんをお迎えしたJ-WAVE「TOKYO NIGHT PARK」の対談。HIROBAの企画でも対話をつづける二人が語る“今だからこそ大事なこと”。全4回のHIROBA編集版としてお届けします。

Part 4 新たな視点

水野 コロナの影響によって、今まで僕たちが経験したことがないような状況が生まれています。日々どのようなことを感じていましたか?

阿部 非現実的な世界を日々生きているような不安を感じていました。この先、僕自身がどうしていくか。世の中で受け入れられる言葉、求められている言葉は何かをものすごく考えるようになりましたね。

水野 言葉の重要性は高まっていますよね。直接会うことができないと、その場の空気でコミュニケーションをすることが良くも悪くもできない。そうすると言葉でより論理的にわかりやすく伝える工夫をするようになる。

阿部 そうですね。

水野 言葉のコミュニケーションが相対的に価値の高いもの、みんなが向き合わなくてはならないものになっている。言葉を扱っている僕らは、重要な使命を与えられているように感じます。

阿部 求められていると思います。みんな、拠り所を探していますよね。

過去に感染病の事例があったときに、偉人たちがどう向き合っていたのかを調べたんです。物理学者のニュートンはペストが流行した当時はケンブリッジ大学に通っていた。

水野 はい。

阿部 約2年の休校期間に「万有引力の法則」などの発見に至ったと。その休校期間を「創造的休暇」と呼んでいたと知って驚きました。

水野 おお、面白い。

阿部 みんなが不安に思っていることや言葉にできていないことを、表現する人が言葉にして器をつくることで、みんなが生きやすくなる。そのためにも編み出していかなければいけないなと思いました。

水野 見方を変える、フィルターを変えるような。重要な視点になりそうですね。今は情報があふれていて、正しさを追い求める論争ばかり。正しい方向、みんながいいと言う方向はどっちだろうとビクビクしているような。

阿部 はい。

水野 自分から発信する、自分の視点を守ることを大事にしないといけない。言葉は力を与える武器になる。

阿部 水野さんともずっとお話してきましたけど、ぶつかり合いたいわけじゃないですよね。正義と正義をぶつけ合うのではなくて、一緒に花や月や星を見るように、同じ方向を見て話し合えることが大事。AかBではなく、新しいCという視点を見つけたいですよねと。

水野 ひとつの問題を一緒に並んで眺めて、新しい答えを出す。そういうことをやっていきたいねと。

コロナでみんながバラバラになってしまったけど、実はこんなに一緒の時もない。バラバラという点においてはみんな一緒。

阿部 そうなんですよね。この状況をそれぞれの場所で体験している。間違いなく、つながり合えるタイミングですよね。

水野 同時代に生きていることを感じにくいと思っていたのが、コロナに向き合っているという点においては誰もが当事者で。「明日、自分が感染してしまうかもしれない」「明日、自分が職を失ってしまうかもしれない」という危機感を誰もが抱えている。

阿部 こういうタイミングだからこそできることもきっとあると思います。個人的なことで言うと「企画メシ」という学びの場はリアルでやることに重きをおいていました。でも、オンラインで開催することで北海道から沖縄まで、学びたいと思う人たちが遠くにいても参加できる。ピンチをチャンスに変えて、つなぐ機会を手繰り寄せることができたと思っています。

水野 マイナスになったのではない。プラスに気づけるようになった。綺麗事かもしれないけど、そう思えないと前に進めないというか。

阿部 生きていくことは過去を肯定することだと僕は思うんです。

水野 なるほど。

阿部 能天気にポジティブでいようということではなく、悲観もするし、ネガティブな自分とも向き合いながら、起こってしまったことをいかに肯定的に捉えることができるか。

水野 そのためには言葉が重要なきっかけになりますね。

阿部 みんなで一緒に考える機会をつくりたいですね。

水野 阿部さんと「何か一緒にやりましょう」と言い続けてもう1年近く。その「何かやろう」と話している時間が楽しくて(笑)。

阿部 本当ですよね(笑)。「何かやろう」と話していること自体が何かをやっていることでもあって。

水野 この状況が生まれたことによって、イベントとして形にすることのハードルがいい意味で上がった気がします。阿部さんと一緒にHIROBAで形にしたいなと思います。

阿部 HIROBAに集う人が話し合える場を共有して、発信していきたいです!

水野 ありがとうございます!

今日お話しした内容にもつながることが阿部さんの本にはたくさん書かれています。特に今の状況では自分から発信することが大事になるでしょうから、みなさんにとってもヒントになることが詰まっていると思います。

阿部 まさに、水野さんが授けてくれた「わかってほしいという気持ち」を力にして。

水野 コピーライターの方に帯文章を書くって…めっちゃプレッシャーですよ(笑)。喜んでいただけて僕もうれしかったです。

阿部 水野さんがフォントを選んでレイアウトして送ってくださって。

水野 (照れ笑い)

阿部 興奮しましたし、自分自身もこういった鳥肌が立つような感覚を届けていきたいなと思いました。

水野 また会ってお話しましょう。面白いことができたらなと思っています。

阿部 こちらこそ、よろしくお願いします。ありがとうございました!

(おわり)

前回:Part 3 未来の自分との勝負

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阿部広太郎(あべ・こうたろう)
1986年生まれ。コピーライター、作詞家。
2008年に電通入社。入社2年目からコピーライターとして活動を開始。
「今でしょ! 」が話題になった東進ハイスクールのCM「生徒への檄文」篇の制作に携わる。
また、作詞家として、向井太一、さくらしめじに詞を提供。
2015年から「企画でメシを食っていく」を主宰。
近著「コピーライターじゃなくても知っておきたい 心をつかむ超言葉術」が大ヒット中。
阿部広太郎Twitter

Text/Go Tatsuwa

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